VISIA(ビジア)の画像は何を見ている?シミ・毛穴・赤み・紫外線シミが見える仕組みを解説

美容クリニックの肌診断で使用される「VISIA(ビジア)」。
VISIAでは、シミ・シワ・毛穴・赤み・紫外線シミ・ポルフィリンなど、肉眼だけでは判断しにくい肌状態を複数の画像から解析します。
「シミの写真だからシミを見る」「毛穴の写真だから毛穴を見る」と考えると分かりやすいのですが、それだけではVISIAの特徴を十分に理解したことにはなりません。
重要なのは、なぜ同じ顔を撮影しているのに、画像によって見えるものが変わるのかという点です。
そのポイントとなるのが、撮影時に使用される光源と偏光(へんこう)です。
VISIAは撮影条件を変えることで、肌表面の情報を強調したり、反対に表面反射を抑えて肌内部から戻ってくる光を捉えたりしています。
今回は、VISIAで表示される各画像の意味とともに、その仕組みを詳しく解説します。
VISIA(ビジア)とは?
VISIAは、顔を一定の条件で撮影し、肌状態を多角的に解析する画像解析システムです。
美容医療では、医師や看護師による診察に加えて、
・現在どのような肌状態なのか
・シミや色ムラがどの程度存在するのか
・赤みがどこに分布しているのか
・毛穴や肌表面の状態はどうか
・肉眼では分かりにくい潜在的な色素があるか
などを客観的に確認するために使用されます。
VISIAのポイントは、単純に「高画質なカメラで顔を撮影している」だけではないことです。

光の当て方や撮影条件を変えることで、異なる肌情報を画像化しています。
なぜ同じ肌なのにVISIAでは違う画像になる?
VISIAを理解するうえで重要なのが「光」です。
私たちが普段肌を見ているとき、肌に当たった光のすべてを同じように見ているわけではありません。
肌に光が当たると、大きく分けて、
肌表面で反射する光
と、
肌内部へ入り、内部で散乱して再び外へ出てくる光
があります。
どちらの光を強く捉えるかによって、得られる肌情報が変わります。
そこで利用されるのが「偏光」です。
偏光とは?
光は電磁波の一種で、振動する方向を持っています。
通常の光にはさまざまな方向に振動する光が含まれていますが、「偏光フィルター」を通すことで、特定方向に振動する光を選択できます。
この性質を利用すると、肌表面から反射してくる光を強調したり、反対に表面反射を抑えたりすることができます。
ここがVISIAの画像を理解するうえで非常に重要です。
平行偏光と交差偏光の違い
VISIAの撮影を理解するときに知っておきたいのが、
平行偏光(parallel-polarized light)と交差偏光(cross-polarized light)です。
平行偏光とは?
光源側とカメラ側の偏光方向を揃える方法です。
肌表面から反射した光を捉えやすくなるため、肌表面の凹凸や質感に関する情報を確認するのに適しています。
VISIAでは、このような撮影条件を利用して毛穴などの肌表面情報を強調します。
つまり、「毛穴画像だから毛穴が見える」のではなく、
毛穴などの肌表面情報が見えやすくなる光学条件で撮影していると考えると、VISIAをより正確に理解できます。
交差偏光とは?
今度は光源側とカメラ側の偏光方向を約90度ずらします。偏光フィルターを2枚重ね、方向を90度ずらした状態をイメージすると分かりやすいでしょう。
光源から出た光のうち、肌表面でそのまま反射した成分はカメラ側の偏光フィルターによって大きく遮られます。
一方で、肌内部に入った光は組織内で散乱することで偏光状態が変化します。そのため、その一部はカメラ側の偏光フィルターを通過できます。
つまり交差偏光撮影では、表面反射を抑えながら、肌内部から戻ってくる光を捉えやすくなるわけです。
これによって、通常の写真では表面の光沢などに隠れて分かりにくい色素や血管由来の情報を評価しやすくなります。
VISIAの「シミ・シワ」画像とは?
まず基準となるのが通常光に近い画像です。
普段、人から見えている肌の状態に近いため、
・シミ
・色ムラ
・シワ
・肌全体の状態
などを確認します。
ただし、VISIAでは単に写真を見るだけではなく、画像解析によって特徴を抽出します。そのため、肉眼による「なんとなくシミが多い」といった主観的な評価だけでなく、肌状態を比較する材料として利用できます。

VISIAの「きめ・毛穴」画像とは?
毛穴や肌のきめは、主に肌表面の形状に関係する情報です。そのため、表面情報を確認しやすい撮影条件が利用されます。
ここでは、
・毛穴の目立ち
・肌表面の凹凸
・肌のきめ
・表面の質感
などを確認します。
特に毛穴は、照明の方向や光の反射によって見え方が大きく変わります。そのため、毎回できるだけ一定の条件で撮影することが重要になります。

VISIAの「茶色のシミ」とは?
VISIAの茶色のシミ(Brown Spots)は、メラニンなどに由来する褐色系の色調を強調した画像です。
通常写真だけでは、
「これは赤みなのか」
「茶色い色素なのか」
「光の反射によってそう見えているだけなのか」
が判断しにくい場合があります。
そこで表面反射を抑えた撮影・画像解析を利用し、褐色系の色素情報を捉えやすくします。
シミ治療を考える場合、単純に「黒く見える場所」だけを見るのではなく、色素の分布を確認することが重要です。

VISIAの「赤い部分」とは?
VISIAのRed Areas(赤い部分)は、肌に存在する赤色系の情報を強調した画像です。
赤みには、
・炎症
・血管
・ニキビ跡に伴う赤み
・刺激による赤み
など、さまざまな原因があります。
VISIAでは交差偏光などを利用して表面反射の影響を抑え、血管やヘモグロビンに関連する赤色成分を解析しやすくします。
そのため通常写真では「なんとなく顔が赤い」と見える状態でも、VISIAではどの部分に赤みが集中しているのかを視覚的に確認できます。
ただし、VISIA画像だけで赤みの原因を確定できるわけではありません。
実際の診療では、画像と肌状態を合わせて医師が診察します。

VISIAの「紫外線シミ」とは?
UV Spots(紫外線シミ)は、紫外線を利用した撮影によって、通常光では分かりにくいメラニン関連の情報を可視化したものです。
VISIAではUVA領域の光を使用します。
紫外線に対する吸収特性の違いを利用することで、通常写真では目立ちにくい色素情報を確認できます。
ここで重要なのは、
「紫外線シミ=将来必ず表面に出てくるシミ」ではない
という点です。
よく「VISIAのUV画像に写った黒い部分は、将来全部シミになります」と説明されることがありますが、厳密にはそのような単純な意味ではありません。
UV画像は、通常光とは異なる条件でメラニンなどの分布を可視化した画像として捉えるのが適切です。

VISIAの「ポルフィリン」とは?
ポルフィリン画像では、毛穴周辺などに蛍光を発する部分が確認されることがあります。
ポルフィリンは、皮膚に存在するCutibacterium acnes(アクネ菌)などの代謝に関連する物質です。
特定の波長の光を当てると蛍光を発する性質があるため、その蛍光を撮影することで分布を可視化します。
興味深いのは、UV SpotsとPorphyrinsでは、同じUV系の光源を利用しながら、検出している現象が異なることです。
紫外線シミでは主に光の吸収特性を利用して色素情報を捉えます。
一方、ポルフィリンでは特定物質が光を受けた際に発する蛍光を検出します。
つまり、
同じような光を当てていても、「吸収を見るのか」「蛍光を見るのか」によって得られる情報が違う
ということです。

「紫外線シミ」と「茶色のシミ」は何が違う?
ここは患者様から非常によく聞かれるポイントです。
茶色のシミは、通常光・偏光撮影などを利用して、現在確認できる褐色系の色素情報を解析します。
一方、紫外線シミはUV撮影を利用して、通常光とは異なる形でメラニン関連の情報を可視化します。
そのため、
茶色のシミ=現在の褐色色素情報
紫外線シミ=UV撮影によって強調されるメラニン関連情報
と考えると理解しやすいでしょう。
両者が完全に一致するとは限りません。

「赤い部分」と「茶色のシミ」を分けて見る意味
通常写真では、赤みと色素沈着が重なっていると判断が難しいことがあります。
例えばニキビ跡でも、
赤みが主体なのか、
茶色い炎症後色素沈着が主体なのか、
によって考える治療方法が変わります。
VISIAで褐色系と赤色系の情報を分けて確認することは、肌状態を整理するうえで役立ちます。
ただし、VISIAは診断そのものではありません。
画像解析だけで治療方法を決定するのではなく、実際の肌を医師が確認することが重要です。

VISIAは「肌年齢を見る機械」だけではありません
VISIAというと、
「肌年齢が何歳だった」「同年代の何%くらいだった」
という数値が注目されがちです。
もちろん数値も一つの参考になります。しかし、VISIAの本当のメリットは、それだけではありません。
異なる光学条件で肌を撮影し、肉眼だけでは区別しにくい情報を整理して確認できることにあります。
シミ治療であれば、通常写真ではどう見えるのか。
茶色の色素はどこに多いのか。UV撮影ではどのように見えるのか。
赤みはどの程度重なっているのか。
こうした複数の情報を組み合わせて見ることで、現在の肌状態をより立体的に把握できます。

VISIA画像の見方まとめ

VISIA撮影で大切なのは「画像を見ること」ではなく「画像をどう解釈するか」
VISIAを使えば、誰でも自動的に正しい肌診断ができるわけではありません。
例えば「茶色のシミ」が多く表示されたとしても、
老人性色素斑なのか、
そばかすなのか、
炎症後色素沈着なのか、
肝斑が関係しているのか、
といった診断は別の問題です。
同じように赤みが表示された場合も、その原因までVISIAだけで確定できるわけではありません。
だからこそ当院では、VISIAの解析結果だけで治療を決めるのではなく、実際の肌状態・症状・経過などを確認したうえで治療をご提案します。
シミ治療前にVISIAを撮影するメリット
シミ治療では「シミがあるからレーザーを当てる」という単純な判断が適切とは限りません。
例えば、見た目では似ていても、肝斑と老人性色素斑では治療方針が異なる場合があります。
さらに赤みや炎症が強い肌では、まず肌状態を整えることを優先するケースもあります。
VISIAは、
肉眼による診察を置き換えるものではなく、診察を補助するための客観的な画像情報
として利用することが重要です。
また、同じ条件で継続して撮影することで、施術前後の変化を比較する材料にもなります。
名古屋でVISIAによる肌診断をご希望の方へ
LA MER CLINIC(ラメールクリニック)は、名古屋・金山駅から徒歩2分の美容外科・美容皮膚科です。
当院ではVISIAによる肌画像解析を活用し、現在の肌状態を確認したうえで、一人ひとりのお悩みに合わせた治療をご提案しています。
シミ・くすみ・毛穴・赤みなどは、見た目が似ていても原因が同じとは限りません。
「シミが気になるからとりあえずレーザー」ではなく、まず何が見えているのかを整理することが、肌治療では重要です。
VISIAの画像も、単に「黒いところがシミ」「赤いところが赤み」と見るのではなく、どのような光で、何を強調して撮影した画像なのかを理解すると、肌診断の意味がより分かりやすくなります。