【裏ハムラ後に複視は起こる?】クマ治療を検討中の方へ医師が解説|名古屋ラメールクリニック

裏ハムラ後の複視について
目の下のクマ治療として広く行われている裏ハムラ法ですが、
近年「複視(物が二重に見える)」について不安に感じる方も増えています。
結論から言うと、
裏ハムラで複視が起こる可能性はゼロではありません。
ただし、適切な解剖理解と手技で行われれば頻度は極めて低い合併症です。
実際、クマ治療後の複視は報告としては存在しますが、
多くは一時的なもので、時間とともに改善するケースがほとんどです。
裏ハムラ法とは
裏ハムラ法とは、
目の下の脂肪を「取る」のではなく「移動させる」ことで、
・膨らみ
・くぼみ(影)
を同時に改善する手術です。
結膜側(まぶたの裏)からアプローチするため、
皮膚に傷が残らないのが特徴です。
なぜ複視が起こる可能性があるのか
裏ハムラで扱う領域は
・眼窩脂肪
・眼窩隔膜
・眼輪筋周囲
であり、通常は外眼筋(目を動かす筋肉)には直接触れません。
それでも複視が起こる可能性がある理由は、主に以下です。
① 下斜筋・下直筋への影響
脂肪の近くには「下斜筋」が走行しており、
さらに深部には「下直筋」も存在します。
・誤ったレイヤーでの剥離
・筋肉の損傷
・熱損傷
などが起きると、眼球運動に影響が出る可能性があります。
② 牽引(引っ張りすぎ)
裏ハムラでは脂肪を移動・固定しますが、
・過度な牽引
・不自然な固定
により、筋肉や周囲組織が引っ張られ、
眼球の動きが制限されることがあります。
③ 腫れ・血腫による圧迫
術後の
・腫れ
・内出血
・血腫
によって筋肉の動きが一時的に制限され、
複視が出ることがあります。
→このタイプは時間経過で改善することが多いです。
④ 麻酔の影響
局所麻酔が筋肉に作用すると、
一時的に動きが悪くなり複視が出ることがあります。
→これも麻酔が切れると改善する一過性のものです。
⑤ 瘢痕・癒着(遅れて出るパターン)
術後数日〜数週間で
・瘢痕形成
・脂肪と筋肉の癒着
が起こると、
遅れて複視が出るケースも報告されています。
実際の頻度と現実
重要なのはここです。
複視は「起こりうる」が「よくある」わけではない。
そしてもう一つ大事なのは
裏ハムラ特有ではなく、脱脂でも起こり得る
という点です。
裏ハムラは“上位互換”ではない
最近のSNSでは
「脱脂より裏ハムラの方がいい」
という表現が目立ちますが、これは正確ではありません。
実際には
- 脱脂:シンプルで予測しやすい
- 裏ハムラ:適応が合えば強いが、術者依存が大きい
という関係です。
つまり、 患者ではなく“術者の技術”に結果が大きく左右される手術です。
ラメールクリニックでの考え方
裏ハムラを行う上で重要なのは、
✔ 下斜筋・下直筋の位置を常に意識する
✔ 不要な剥離をしない
✔ 過度な牽引を避ける
✔ 固定のテンションを細かく調整する
といった基本を徹底することです。
派手なテクニックよりも、
「どこまで触らないか」
「どこで止めるか」
の判断が、仕上がりと安全性を大きく左右します。
こんな症状があれば注意
術後に以下があれば、早めの受診が必要です。
・複視が悪化していく
・強い痛みや吐き気を伴う
・数日経っても改善しない
まとめ
裏ハムラ法は、
✔ 自然な若返りが可能
✔ 長期的な効果が期待できる
一方で、
✔ 複視などの合併症リスクはゼロではない
✔ 高度な解剖理解と技術が必要
という特徴があります。
大切なのは
「術式の良し悪し」ではなく
「誰がどう行うか」です。